木曜日, 4月 25, 2024

日本の高齢化の原因と対策

日本全国を一世風靡した健康ブームにより、日本人は食事の改善や適度な運動を心がけるようになり、疾病の罹患率が下がって平均寿命が飛躍的に延びました。さらに、医学の発達により、従来は回復が難しかった病気を克服する人も増え、ますます高齢化が進んだのです。高齢化とは、全人口における高齢者の占める割合が増加することであり、少子化と連動します。子どもが減れば、老人の割合は相対的に増えるからです。平均寿命が延びる一方で、出産数は減り続け、少子化傾向が強まりました。

2025年には75才以上の後期高齢者の占める割合が3割に達し、2040年には35パーセントに及ぶと言われています。このままでは、50年も経たないうちに日本の人口は半減してしまうでしょう。少子化が進んだ原因として、出産後の女性が社会復帰する道が開かれていないことや、育児にかかる費用が膨大で、子育てしにくい環境にあることなどが挙げられます。高齢化社会を是正するためには、まず少子化傾向を改善しなければなりません。出産数を増やせても、生存中の高齢者を減らすことはできないからです。

少子化を食い止めようと、様々な政策が打ち出されましたが、決定的に有効となるような施策は採られたとは言えないでしょう。高齢化社会を是正できないうちは、65才以上75才未満の前期高齢者など、まだ働く活力を持つ高齢者は、定年後も仕事を続けて社会を支えなければなりません。本来は介護の対象となる高齢者が、介護施設の食事や清掃など比較的肉体的負担が小さな業務に就き、部分的に関わることも必要になるでしょう。